天に翔ける

好奇心を忘れず学び、成長し続けたい

ショートストーリー「リュウとアリア」

今週のお題「同級生」

 

同級生といえば、ライバルであり、強い絆で結ばれた同志。ということで、そんな内容で、Geminiに短編小説を生成してもらいました。今回は、生成結果をアレンジしました。

 

リュウとアリア」

国際宇宙軍士官学校の卒業式を終えた二人は、足元に広がる巨大な宇宙港と、遥か遠くまで広がる大地を見つめていた。


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広大な国際宇宙軍士官学校にそびえ立つタワーは、かつての国家間の境界線が融解し、人類共通の夢であるディープスペース探査へと向かう時代の象徴だった。ここでは、地球上のあらゆる国々から選抜された、知力、体力、精神力で群を抜く若きエリートたちが集い、来るべき星間航行時代の指揮官となるべく日々研鑽を積んでいた。

その中でも特に際立っていたのが、アリアとリュウだった。

アリア・ヴェガは、太陽系連合の人工知能開発部門の主任エンジニアを両親に持ち、幼い頃からその超常的な空間認識能力と戦略的思考で周囲を圧倒してきた。一方、リュウタチバナは、かつての辺境国出身ながら、類まれなパイロットとしての直感と、どんな困難にも屈しない不屈の精神で、選抜試験をトップで通過した。

二人は入学初日から、互いを「唯一の真のライバル」と認識した。

シミュレーター訓練では、アリアの冷徹で計算し尽くされた戦術が、リュウの型破りで予測不能な操縦技術と激突した。体力訓練では、リュウの爆発的なフィジカルとスタミナが、アリアの洗練された動きと効率的なエネルギー配分と拮抗した。事あるごとに、彼らのスコアは小数点以下の差で入れ替わり、士官学校の歴史に新たな伝説を刻んでいった。彼らの対決は、時には火花を散らす激しいもので、他の学生たちは固唾を飲んで見守った。

「またお前か、アリア」

リュウは模擬戦の敗北後、汗を拭いながら皮肉な笑みを浮かべた。

「その言い方だと、毎回負けてるみたいね、リュウ

アリアは冷静に返しながらも、その瞳には悔しさとは違う、ある種の充実感が宿っていた。

しかし、幾度となく限界を押し広げる競争を続けるうち、彼らの間には奇妙な連帯感が芽生え始めた。ある夜、難易度の高い理論物理学の課題に行き詰まったアリアに、リュウが独自の視点からのヒントを与えた。また別の時には、危険な無重力下での救助訓練で、リュウが予測を誤った際、アリアが一瞬の判断で彼の命を救った。

彼らは気づいた。自分たちが競い合っているのは、他者ではなく、自分自身の限界だということを。そして、お互いがいることで、その限界をさらに遥か遠くへ押し広げられるのだということを。ライバルとしての激しい対決は、やがて信頼と尊敬に裏打ちされた、唯一無二の友情へと昇華していった。

卒業を控えたある日、二人は士官学校の双璧として、人類史上最大のミッションである二つの新星系への同時探査の指揮官に任命されていた。

「クレイオス星系は、私に任せて。必ず先に、生命の痕跡を見つけるわ」

アリアは、太陽系連合の最新鋭探査艦**『ガイア』**の艦橋で、引き締まった表情で言った。

「ふん。シリウスの彼方、プロメテウス星系は俺が制覇する。俺の**『イカロス』**のエンジン音を、そっちの星系まで轟かせてやるさ」

二人は、これで見納めかも知れない地球の大地を遠くに見つめながら語り合った。

 

やがて、出発の日が訪れ、二人は軌道上のステーションにある発着場にいた。

リュウは、彼の操艦技術に合わせてカスタマイズされた高速探査艦のハッチを閉めながら、隣で発進準備を整えた、アリアの乗艦するガイアを一瞥する。

 

彼らの想いが、一瞬交差する。そこにはもはや、過去のライバル心はなかった。あったのは、互いの成功を心から願い合う、強い絆だけだった。


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「…無事に戻ってきて、リュウ

アリアは無線通信が途切れる直前、そっと囁いた。

「お前もな、アリア。次に

会うのは、銀河の果ての星系の、どこかの宇宙港だ」

二隻の探査艦は、人類の新たな希望を乗せて、夜空の闇へと吸い込まれていった。遠く離れた星系で、彼らは再び、同級生として、そして最高の友として、人類の未来をかけた友情の競争を続けるだろう。

 

ショートストーリー「夏の足元」

今週のお題「夏の足元」

 

今回は、お題の解釈をちょっと変えて、夏を人物名と捉え、生成AIで短編小説を創ってみました。同じプロンプトをGeminiとChatGPTに入力した結果を、そのまま掲載しました。皆さん、どちらが好みですか。

 

Geminiバージョン「夏の足元」

夏は、窓の外を眺めていた。窓と言っても、それは地球の夜空を模したホログラムで、瞬く星々はすべて、人工的に作られた光の粒だった。宇宙船「ノア」の高校は、地球の高校の記録映像を参考に設計されたという。授業も、試験も、すべてAIが管理している。まるで、何十年も前に作られた映画のセットの中にいるようだった。

夏は、この巨大な金属の箱の中で生まれた。目的地であるプロキシマ・ケンタウリの居住可能惑星「エデン」にたどり着くには、まだ何世代もかかるらしい。自分も、両親のように、この閉ざされた空間で、次の世代を育み、やがて死んでいくのだろう。そんなことを考えると、胸の奥が、冷たい水で満たされていくような気がした。記録映像でしか知らない地球の自然は、あまりにもまぶしく、そして遠かった。鮮やかな緑の森、波が砕ける海、どこまでも広がる青空。それらはすべて、手の届かない、幻想の世界のように思えた。

ある日のこと、夏は、船内の中枢システムを管理する研究者エリアを訪れた。夏は、AIによる環境管理システムの一部に、改善提案を提出していた。その提案に興味を持ったという研究者に呼ばれたのだ。彼の名前はアオイ。まだ若い彼は、夏が持っていた諦めの感情とは真逆の、希望に満ちた目で夏を迎えた。

「君の提案はとても興味深い。AIが作り出したシミュレーションの世界に、リアルな植物の成長アルゴリズムを組み込むという発想は、私にはなかった」

アオイはそう言って、夏が提出したデータに目を通した。彼の研究室には、いくつもの小さな鉢植えが並んでいた。それは、遺伝子操作された、本物の植物だった。夏は思わず、その小さな緑の葉に触れた。ひんやりとした感触、かすかに香る土の匂い。それは、記録映像の中の幻想ではなく、確かにそこに存在する「命」だった。

「これらは、航海の途中で発見された植物の種子から育てたんだ。すべて、この宇宙船で育つように改良されたものだ」

アオイは続けた。「地球の自然を再現することはできない。でも、この宇宙船の中に、僕たちの手で、新しい自然を作り出すことはできる。たとえ小さな、足元にある世界でも、それを豊かにすることはできるはずだ」

アオイの言葉は、夏の心を揺さぶった。地球の自然に憧れ、手の届かない幻想の世界に囚われていた夏は、足元にある、この人工的な世界を、見ようとしていなかったことに気づいた。自分には、この宇宙船の中にある、小さな「緑」を育てるという選択肢がある。そして、その「緑」は、未来の世代へと受け継がれていく。

夏は、研究者たちと共に、宇宙船の新たな緑化計画に取り組むことになった。ホログラムで作られた森ではなく、本物の、土と水と光が必要な植物を育てるのだ。作業は困難を極めた。限られた資源、不安定な船内環境。しかし、夏は希望に満ちていた。

そして、ある日のこと、宇宙船の窓の外に、まばゆい光が飛び込んできた。それは、プロキシマ・ケンタウリの恒星の光だった。まだ目的地は遠いが、確かに、少しずつ近づいている。

夏は、自らが育てた小さな植物の鉢植えを、窓辺に置いた。光を浴びて、小さな葉が、きらきらと輝いている。この小さな葉っぱが、いつか、この閉ざされた空間を、緑で満たすかもしれない。

夏は、もう遠い地球を夢見て、ため息をつくことはなかった。ただ、目の前にある、小さな足元の世界を見つめていた。そこには、希望の光が、確かに息づいていた。

 

ChatGPTバージョン「夏の足元」

夏(なつ)は、自分の名前にいつも不思議な感覚を抱いていた。
季節の響きを持ちながらも、彼が生まれ育った巨大宇宙船〈アルカディア〉には、春も秋も冬も存在しない。気温は常に調整され、雨はプログラムされた周期で降り注ぎ、風さえも気流制御装置がつくり出す。
「夏」という言葉の中にある、焼けるような陽射しや、湿った土の匂いを、彼は記録映像の中でしか知らなかった。

船はすでに地球を出て百年以上を経ており、次の居住可能惑星――αケンタウリ系の新天地までは、さらに二世代、いや三世代を要するだろう。夏の世代は、目的地に辿り着くことなく、閉ざされた船内で生まれ、学び、働き、そして死んでいく運命にあった。

学校も環境管理もAIが担っていた。だが政治は人間の手にあり、世代交代とともに船の方針を定めていた。しかしその決定もまた、航路を変えることはない。夏はその単調さに、時折息苦しさを覚えた。

――本当の自然は、どんな感覚なのだろう。
指先で触れる木のざらつき、真の太陽の熱、夜空に散らばる星々。
記録映像に映るそれらは、どれも作り物のように見えて、同時に耐えがたいほど美しかった。

そんな折、夏は一人の研究者と出会う。
名は遥(はるか)。船の環境改善プロジェクトに携わる若き科学者で、空調や水循環系の微細な改良に心を燃やしていた。

「結局、僕らの一生は模造品の中で終わるんだ」
ふと漏らした夏の言葉に、遥は微笑んで首を振った。
「模造品? 違うよ。確かにこれは人工的な世界だけど、僕らがここで感じている呼吸、会話、体温――それは全部本物だ。自然って、地球の土や海だけを指すものじゃない。僕らが今ここで積み重ねている時間も、充分に自然なんだ」

その言葉は、夏の心に小さな火を灯した。
本物の大地に立てなくても、足元には確かに生がある。
見渡せば、人工の芝の上で遊ぶ子どもたちの笑い声、研究棟の片隅で眠り込む同僚、空調音に混じる誰かの歌声。
それらはすべて、自分と同じ船で生きる人々の営みだった。

夏は、遥とともに環境改善の研究に携わるようになった。
作り物の空でも、より澄んだ青を模索する。人工の果樹でも、甘さの奥に複雑な香りを宿すことを追求する。
――次の世代が、この船内を少しでも豊かに感じられるように。

ある夜、夏は船窓に映る星の群れを見つめながら、小さく笑った。
目的地には辿り着けない。地球の夏を知ることもない。
けれど、この閉ざされた宇宙で、自分は確かに「夏」として生きている。

足元に広がるのは人工の土だ。だが、その上を踏みしめる音は、自分の命そのもの。
そしてそれは、決して模造品ではなかった。

 

 

最後に

生成AIを用いて、初めて短編小説を生成してみました。プロンプトで、主人公の設定や舞台について定義して生成しました。今回は、GeminiとChatGPTでの生成結果を原文ママで掲載しました。クオリティとしては、いかがでしょうか。まぁ、そこそこの出来だと思っています。

これからも機会があったら、プロンプトを工夫して、短編小説の生成を試してみたいですね。